| 地点名 | 
      この1題・登場回数 | 
      位 置 | 
      備 考 | 
      写真と撮影年 | 
    
  
    | 堀の内の祖師 | 
    ほりのうちのそし | 
    堀の内(青圓生12:17) など 39件12題 (圓朝1件, 東京38件) | 
    杉並区堀ノ内3-48 | 
    → 北村辞典.日蓮宗妙法寺.厄除けとお会式で知られる名刹.ここの鉄門のデザインは,まるで往時の吉原の大門みたい.門前にあったが,奥の方へ移設された.もちろん,生まれついての粗忽を治してもらおうと祈願する「堀の内」の舞台になる.「縮み上がり」という最近聴かない落語は,堀の内の参詣帰りに新宿遊廓で遊ぶことに心を奪われてしまう噺.桂文治(8)が得意とした. 
"堀の内のお祖師さまへそそっかしいのを直すんで、お詣りをすると言ったじゃァないか"(堀の内) | 
    妙法寺鉄門 | 
      | 
    2005 | 
  
  
    | 堀の内街道 | 
    ほりのうちかいどう | 
    長崎の赤飯(青圓生04:07) 1件1題 (東京1件) | 
    杉並区 | 
    写真の道標は,鍋屋横丁にあったが,2002年に妙法寺前交差点に移設された.裏面の鍋屋の文字が見えるようになったのはいいが,説明抜きで道標を建てておいては.道案内している堀の内までの距離がめちゃめちゃ.有名寺社への参詣道は,用例のように物もらいも多くたむろしていた. 
"番頭さん、まいりました。なにが来たン……。あのう、堀の内街道から"(長崎の赤飯) | 
    堀の内道標 | 
      | 
    2005 | 
  
  
    | 蓮光寺 | 
    れんこうじ | 
    大黒の頭巾(娯楽世界, 8(5) (1920)) | 
    杉並区和田3-30-20 | 
    日蓮宗頂光山蓮光寺.浅草新寺町にあり,溝店(どぶだな)の大黒天と呼ばれた.日蓮御作と伝えている.1915(大正4)年に区画整理で移転してきた.池上に越したとあるのは間違い.境内に,インド独立運動家のチャンドラ・ボースの碑がある. 
"彼の溝棚のお祖師様、あの隣りに寺があるだらう、アレが名代の大黒様のお寺だ、今は確か池上へ越した"(大黒の頭巾) | 
    連光寺 | 
        | 
      2022 | 
    
  
    | 高円寺 | 
    こうえんじ | 
    浮世根問(青小さん2:01) など 3件1題 (東京3件) | 
    杉並区高円寺北,高円寺南 | 
    極楽浄土を根問いすれば,東京を去ることはるか西.荻窪と並んで世界の果てと勘違いされるようなところ.地名の由来である曹洞宗高圓寺は巨刹.三代将軍が鷹狩りで訪れた. 
"つまり西の方だなァ。高円寺から荻窪あたり……?"(浮世根問) | 
    宿鳳山高圓寺 | 
      | 
    2009 | 
  
  
    | 阿佐ヶ谷 | 
    あさがや | 
    のろけ幸兵衛(文芸倶楽部, 36(3) (1930)) | 
    杉並区阿佐谷北,阿佐谷南 | 
    「のろけ幸兵衛」は,文化住宅に住む昭和初期の「小言幸兵衛」を描く.戦後には,阿佐ヶ谷住宅(杉並区成田東)に代表されるモダンな住宅が建てられている.旧近藤邸(阿佐谷北5-45)は,バラの生け垣に囲まれた庭が広がっていた.2009年に焼失した跡地に,旧観を思わせるトイレ兼防災倉庫が建てられ,Aさんの庭と名づけられている. 
"高円寺の向う、阿佐ヶ谷てえところへ、十三ヶ年月賦みたいな文化ハウスを十数軒たて並べ"(のろけ幸兵衛) | 
    杉並区立Aさんの庭 | 
      | 
    2020 | 
  
  
    | 荻窪 | 
    おぎくぼ | 
    社長の電話(普通名作5:03) など 4件2題 (東京4件) | 
    杉並区荻窪あたり | 
    
「浮世根問」では,高円寺とならんで,世界の果てと勘違いするようなところ.オギの生える低湿地に由来するらしく,このオギを刈りとって作った草堂が荻堂,今の光明院荻寺(上荻2-1)だという.門前に荻窪地名由来の看板がある.「社長の電話」は,三遊亭円歌(2)の新作.昨今同様,固定電話を持つ家が少なかった時代の落語.円歌の売りものだった「取次電話」は,金馬(3)の作品. 
"一時半ごろにのう、荻窪の宅ナ、わしの電話番号知ってるか"(社長の電話) | 
    荻窪光明院 | 
      | 
    2011 | 
  
  
    | 高井戸 | 
    たかいど | 
    法華長屋(騒人名作09:15) 1件1題 (東京1件) | 
    杉並区下高井戸,上高井戸 | 
    「法華長屋」は,法華信仰に凝り固まった大家が,たとえ便所がいっぱいになっても,他宗派の肥汲みを追い払う噺.肥汲み同士の会話で,それぞれの出身地として登場する.近郷の農家が市中にやって来ては,汲み取りの対価を野菜で支払った.高井戸の地名の由来といわれる高井堂が,宗源寺(下高井戸4-2)に移設されている. 
"これやア上目黒、高井戸、小松川、みんな揃ってるな"(法華長屋) | 
    高井堂 | 
        | 
      2009 | 
    
  
    | 大宮八幡 | 
    おおみやはちまん | 
    話之種(円朝全集 別巻2, 岩波書店 (2016)) | 
    杉並区大宮2-3 | 
    大宮八幡宮.祭神は,応神天皇,仲哀天皇,神功皇后の三柱.巨大な一の鳥居から続く広い境内に,源義家手植の松などがある.用例の「話之種」は,圓朝の残した雑多なメモ.ここでは,堀の内妙法寺周辺の地理が数行書きつけられている. 
"門前を真直に行ば大宮八幡道 中野村中宿"(話之種) | 
    八幡通りバス停 | 
        | 
      2019 |