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有馬土産千代の若松   
−ありまみやげちよのわかまつ−

 有馬土産千代の若松は,岩波版円朝全集別巻に初掲載.春雨亭主人報,三遊亭圓朝演とあるが,口演速記ではない.明治14(1881)年,『諸芸新聞』に10回にわたって連載された.最終回は話をはしょって無理に完結させている.男女の出会いと突然の別離,そして大団円の陳腐な内容もさることながら,描写が生き生きとしておらず,土地の関係も不正確.

 大あらすじ
 有馬温泉で出会ったお千代と民之助の2人.お千代は誘拐されるが,ついに出会えてめでたし.
 有馬の出会い
 有馬温泉御所坊に湯治するお千代が民之助を見染める−明日は帰京の連絡を受けたお千代は,民之助と駆け落ち−途中,胆玉の熊蔵に金を奪われ,お千代は誘拐される−民之助は西村に救われる
有馬温泉御所坊
 福原の廓へ
 剣術士松山半蔵を殺した原田強蔵は相野の山塞に隠れている−熊蔵はそこの居候.主の原田を殺し,妻のきとを寝取る/相野に幽閉されたお千代は,熊蔵に言い寄られる−それを気取ったきとは,お千代を福原の巴楼に売る−お千代は娼妓になることを拒み続ける−偶然,民之助が登楼−親元にわびて,お千代を身請け−巴楼にやってきた熊蔵らは捕縛/熊蔵は死刑.民之助と千代は夫婦に
相野の山中

 はなしの足あと
 有馬温泉での出会い.相野(三田市)の山賊の住みか.福原の廓でハッピーエンド.途中,岡山藩時代のエピソードが挿入されるが,舞台の田上の浦が不明.

 はなしの人びと
きと きと -1880? 熊蔵の継母で情婦.熊蔵の流れ玉にあたって死ぬ
山口熊蔵 きもたまのくまぞう -1880? 胆玉の熊蔵.山賊稼業の駕籠かき.千代を誘拐し死刑
たけ たけ 誘拐されて長太郎の妻.若松屋の番頭と結婚
千代 ちよ 民之助と駆け落ち.福原に売られ千代鶴
長太郎 ちょうたろう -1880? 原田の息子.熊蔵の流れ玉にあたって死ぬ
西村重兵衛 にしむらじゅうべえ 島之内の商人.瀕死の民之助を救う
原田強助 はらだごうすけ -1880? 岡山藩士.食客の熊蔵に殺される
松山半蔵 まつやまはんぞう -1848.2 岡山藩士.剣術の遺恨で原田に撃ち殺される
若松民之助 わかまつたみのすけ お千代と駆け落ち.末には夫婦に

掲載 180901

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