| 地点名 | 
    この1題・登場回数 | 
    位 置 | 
    備 考 | 
      写真と撮影年 | 
    
  
    | 兵庫県 | 
    ひょうごけん | 
    お文さん(講小文枝:10)など 5件5題 (東京2件, 上方3件) | 
    兵庫県 | 
    明治維新で生まれた兵庫県の名は,「お文様」の舞台である船場の酒屋の説明で登場する.兵庫県のうち,西宮市など神戸市東郊,神戸市と明石市の一部は後半に回す.まずは城崎から南下し,神戸市をかすめて県西を見て回り,最後に淡路島に渡るルートで落語地名を紹介する. 
明石名物の蛸壺におさまったユニークな駅弁,ひっぱりだこ飯の歴史は意外と新しい.明石海峡大橋の開通を記念して1998年に生まれた.実際に明石あたりの漁港を歩くと,山と積まれた蛸壺を目にすることができる.ちなみに駅弁の具材は,桜煮にしたタコ2切れと味ご飯.色取りのニンジン,菜の花,アナゴ,シイタケ,タケノコ,錦糸玉子にボールの揚げ物もおいしい. 
"本家は兵庫県で醸造元をしておりまして"(お文さん) | 
    西明石駅弁ひっぱりだこ飯 | 
      | 
    2022 | 
  
  
    | 播磨 | 
    はりま | 
    兵庫船(三一上方2:09) など 34件20題 (圓朝4件, 東京17件, 上方13件) | 
    兵庫県 | 
    旧国名.橘家圓喬(4)の「播州巡り」は,大坂−播州−兵庫港−金毘羅という妙なルートをとる.もっとも,上方バージョンの方でも,すでに指摘されているように,船が苦手の喜六が,どう四国へ渡ったのかも疑問だが.「播州めぐり」に出てくる多くの名所は,鉄道唱歌(大和田建樹作詞)にも歌われている.舞子の浜,明石の人丸神社,松の名所の高砂,尾上の鐘,お菊さんの姫路城,そして四十七士の赤穂を過ぎれば備前国に入る.なお,那波駅は現在の相生駅のこと. 
"播州は松の名所、そちらは"(兵庫船) | 
    鉄道唱歌 山陽九州編 | 
      | 
    2022 | 
  
  
    | 但馬 | 
    たじま | 
    但馬の殿様(講昭和戦前2:07) など 3件3題 (東京3件) | 
    兵庫県 | 
    「但馬の殿様」は,「能狂言」のこと.芝居が御難の落語家2人が,殿様が能狂言をみたいとの御触書を見て,忠臣蔵の茶番でごまかす噺.但馬国を舞台としたのは,曾我廼家喜劇だと『圓馬十八番』にある.播但といっても,但馬は影が薄い.大手レンタカーネットの兵庫県の予約メニューで,但馬の店舗がすっかり抜けていたことがあった.「但馬の殿様」の領国は,豊岡か出石だろう.出石の町のシンボルである辰鼓楼(1881年稼働)は,地元の熱心な調査により日本で2番目に古い時計台だということが明らかになった.札幌の時計台よりもわずか1ヶ月しか遅れておらず,タッチの差で日本一の座から降りた.フェアプレーに拍手. 
"ここに但馬の殿様というお方、久方ぶりのお国詰"(但馬の殿様) | 
    出石辰鼓楼 | 
      | 
    2015 | 
  
  
    | 城之崎 | 
    きのさき | 
    私は最強のバスガール(桂三枝創作落語大全集, メディアクラフト牡牛座 (2004)) | 
    豊岡市 | 
    旧城崎郡城崎町.城崎温泉.「城の崎にて」ゆかりの三木館には,志賀直哉の間が保存される. 
"城之崎というと外湯が有名でございます"(私は最強のバスガール) | 
    城崎温泉元湯 | 
      | 
    2006 | 
  
  
    | 城之崎:太鼓橋 | 
    たいこばし | 
    私は最強のバスガール(桂三枝創作落語大全集, メディアクラフト牡牛座 (2004)) | 
    豊岡市城崎町湯島 | 
    城崎温泉を流れる大谿川の4ヶ所に太鼓橋がかかっている.太鼓橋といってもほとんど反っていない. 
"柳並木に太鼓橋……風情ある町並み"(私は最強のバスガール) | 
    愛宕橋 | 
      | 
    2006 | 
  
  
    | 豊岡 | 
    とよおか | 
    忠臣蔵(立艶笑文庫1:12) 1件1題 (東京1件) | 
    豊岡市 | 
    豊岡は,コウノトリとカバン(かつては柳行李)の町.大石内蔵之助の妻,大石りくの出身地.りく遺髪塚は日撫地区の正福寺にある. 
"大石内蔵助、妻子は早く但馬の豊岡に送り返し"(忠臣蔵) | 
    大石りく遺髪塚 | 
      | 
    2003 | 
  
  
    | 出土 | 
    いづち | 
    知ったかぶり(角川中島らも1:10) 1件1題 (上方1件) | 
    豊岡市 | 
    出石(いずし).旧出石郡出石町.但馬の城下町.小皿盛の出石蕎麦,オランダ時計の辰鼓楼,家老屋敷が見どころ.但馬の殿様(能狂言)は,但馬の小藩が舞台.とすると出石藩か豊岡藩しかない. 
"出土市のあたりで大雨降ってきてなあ(中略)名物の皿そばでも食おか"(知ったかぶり) | 
    出石皿そば | 
      | 
    2015 | 
  
  
    | 氷上郡 | 
    ひかみぐん | 
    兵庫船(三一上方2:09) など 2件1題 (上方2件) | 
    氷上郡 | 
    兵庫中央東部. 
"国は丹波の氷上郡、親は代々殺生し、親の因果が子に報い"(兵庫船) | 
      | 
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      | 
  
  
    | 篠山 | 
    ささやま | 
    胴乱幸助(講昭和戦前2:01) など 15件8題 (圓朝2件, 東京6件, 上方7件) | 
    丹波篠山市 | 
    "丹波篠山山家の猿が"とデカンショ節で歌われ,田舎の共通イメージが固まっているが,れっきとした城下町.一度しか訪問していないのだが,あんな制限だらけの城址は見たことがない. 
"あの親爺は若い時に丹波の篠山から出て来て、まっ黒になって働いて横丁へ薪屋の店を出したんだ"(胴乱幸助) | 
    篠山城 | 
      | 
    2004 | 
  
  
    | 多田銀山 | 
    ただぎんざん | 
    宝塚・銀座の岩屋(自作落語「宝塚・銀座の岩屋」, 文芸社 (2014)) | 
    川辺郡猪名川町銀山 | 
    「宝塚・銀座の岩屋」は,神戸北方にある西谷の廃鉱山に探検に行き,江戸時代にタイムスリップする新作.多田銀山や波豆の他,西谷,長谷,武田尾などの地名が出てくる.多田銀銅山は,2015年に史跡に指定された.鉱山の発見は,平安時代,多田満仲にさかのぼる.豊臣秀吉の時代に大量の銀を産出し,江戸時代は天領.戦後の1973年まで操業されており,鉱山遺跡が見られる.間歩と呼ばれる坑道がたくさん残っており,青木間歩は入洞できる.多田銀山へは日生中央駅から猪名川町コミュニティバスが通じているが,日に3便しか運行されていない.次項の波豆などと合わせて訪問するには,歩いて山越えするしかない. 
"西谷の長谷というところあたりは、昔から多田銀山の鉱脈の一部で、江戸時代はだいぶん栄えたらしいで"(宝塚・銀座の岩屋) | 
    多田銀山瓢箪間歩 | 
      | 
    2016 | 
  
  
    | 波豆 | 
    はず | 
    宝塚・銀座の岩屋(自作落語「宝塚・銀座の岩屋」, 文芸社 (2014)) | 
    宝塚市波豆 | 
    江戸時代にタイムスリップした「宝塚・銀座の岩屋」の主人公たちは,なぜか体を縮小されて地下水脈に流される.飛び出したところは現代の千刈水源池.波豆八幡本殿の柱につかまっていた.千刈ダムによって波豆八幡の境内は狭くなり,応永32年(1425)に建てられた石造鳥居も水際に移設された.波豆へは三田駅から阪急田園バスが通じているが,日に3便しかないので注意. 
"ここはどこでっか−? 西谷の波豆や"(宝塚・銀座の岩屋) | 
    波豆八幡鳥居 | 
      | 
    2016 | 
  
  
    | 清水寺 | 
    せいすいじ | 
    播州巡り(三一上方2:06) 1件1題 (上方1件) | 
    加東市平木1194 | 
    西国三十三ヶ所第25番札所.天台宗御嶽山清水寺.推古天皇の勅願により,根本中堂が建てられた.十一面観音を祀る.また,聖武天皇の勅願による大講堂には,千手観音を祀る.御詠歌は引用のとおり.山上にあり,車でないと行くのが辛い. 
"二十五番の札所が清水寺「あはれみや あまねきかどのしなじなに なにをかなみの ここにきよみず」"(播州巡り) | 
    清水寺大講堂 | 
      | 
    1999 | 
  
  
    | 法華寺 | 
    ほっけじ | 
    播州巡り(三一上方2:06) 1件1題 (上方1件) | 
    加西市坂本町821-17 | 
    西国三十三ヶ所第26番札所.天台宗法華山一乗寺.聖観音菩薩を本尊とする.平安期の三重塔は国宝. 
"法華寺のご詠歌が「ありまふじ ふもとのきりはうみにゝてなみかときけば おののまつかぜ」"(播州巡り) | 
    一乗寺三重塔 | 
      | 
    1999 | 
  
  
    | 書写山 | 
    しょしゃさん | 
    瘤弁慶(三一上方2:28)など 11件5題 (東京4件, 上方7件) | 
    姫路市書写2968 | 
    天台宗別格本山書写山円教寺.西国三十三ヶ所第27番札所は,摩尼殿の如意輪観音を本尊とする.山上にあり,ロープウェイで参拝する.所要1時間. 
"幼名を鬼若丸と名づけ、播州書写山にて成長なし"(瘤弁慶) | 
    円教寺摩尼殿 | 
      | 
    1999 | 
  
  
    | 誕生水 | 
    たんじょうすい | 
    瘤弁慶(三一上方2:28) など 4件1題 (上方4件) | 
    姫路市書写か | 
    以下2件,書写山のことかあいまい.比叡山に続き,書写山でも乱暴を働いた弁慶は放逐される.写真の鏡の井は,いたずらで朋輩に墨を塗られた顔を覗いた井戸.誕生水は田辺のことかもしれない.不明. 
"誕生水別当の屋敷に古跡を遺し"(瘤弁慶) | 
    弁慶鏡の井 | 
      | 
    1999 | 
  
  
    | 別当の屋敷 | 
    べっとうのやしき | 
    瘤弁慶(三一上方2:28) など 4件1題 (上方4件) | 
    姫路市書写か | 
    和歌山の田辺第一小学校付近は,弁慶の父別当湛増の屋敷跡になる.誕生水ならぬ産湯の井は,田辺市役所前に復元されている. 
"誕生水別当の屋敷に古跡を遺し"(瘤弁慶) | 
      | 
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      | 
  
  
    | 竜野 | 
    たつの | 
    饅頭こわい(桂枝雀爆笑コレクション3, 筑摩書房 (2006)) | 
    たつの市 | 
    城下町龍野.現在はひらがな表記の,たつの市と称する.甘酒を加えた淡口醤油と揖保川にちなむ有名ブランドの素麺が名物.最寄り駅は姫新線本竜野駅になる. 
"竜野の上等のお醤油をサーッとかけてもうて"(饅頭こわい) | 
    醤油工場の煙突 | 
      | 
    2007 | 
  
  
    | 竜野:脇坂様のお宮 | 
    わきさかさまのみや | 
    黄金包(駸々堂(1890)) | 
    たつの市龍野町中霞町 | 
    失われた上方人情噺「黄金包」の終盤は,龍野が舞台となる.脇坂様のお宮とあるのは,龍野城よりさらに高台にある龍野神社のことだろう.龍野藩初代藩主脇坂安治が祭神. 
"高台に見えておりますは脇坂様のお宮で、その下に白壁造りのお屋敷がある"(黄金包) | 
    龍野神社 | 
      | 
    2017 | 
  
  
    | 伊母川の渡し | 
    いぼがわのわたし | 
    黄金包(駸々堂(1890)) | 
    たつの市 | 
    仇討ちに出た「黄金包」の主人公犬太郎は,揖保川の渡し守に化けていた親の仇に出くわす.揖保川には上下2つの渡しがあった.龍野橋のところが下の渡し,人道橋の旭橋のところが上の渡し.噺の舞台は,城に近い上の渡しだろう.橋に登ると城が見えた. 
"出て参りましたところは播州龍野伊母川の渡場でございます"(黄金包) | 
    上の渡し跡 | 
      | 
    2017 | 
  
  
    | 白旗 | 
    しらはた | 
    蛙茶番(角川文庫01:10)など 2件1題 (東京2件) | 
    赤穂郡上郡町 | 
    赤松満祐は将軍足利義教を殺害し,播磨に下る.赤松氏の拠点白旗城と天竺徳兵衛忍術譲りが結びついた.白旗と井出の玉川は,「蛙茶番」をそれらしく聞かせるスパイス的地名. 
"われこそは、播州白旗の城主、赤松満祐"(蛙茶番) | 
    白旗城址を望む | 
      | 
    1999 | 
  
  
    | 赤穂 | 
    あこう | 
    淀五郎(講昭和戦前6:26) など 22件13題 (圓朝3件, 東京16件, 上方3件) | 
    赤穂市 | 
    播州赤穂五万三千石.国家老というから赤穂詰めの大星由良之助,国守の急に接して江戸へ駆けつけるが,花道の揚げ幕をくぐったとたんに判官殿は切腹.遅かりし由良之助. 
"由良之助てえものはね、播州赤穂からね、早馬で飛ばして来るんだよ"(淀五郎) | 
    赤穂藩大石邸長屋門 | 
      | 
    2016 | 
  
  
    | 花岳寺 | 
    かがくじ | 
    大久保曾我誉廼仇討(百花園 (1889)) | 
    赤穂市加里屋1992 | 
    曹洞宗台雲山花岳寺.浅野家菩提寺.拝観有料.四十七士の墓,木像のほか,大石名残の松,本堂入り口天井の虎の墨絵がある.境内に,浅野内匠頭を中心に,大石親子,四十七士の墓が並んでいる.中には義士の遺髪が収められていると伝える. 
"これは花岳寺と云って内匠さまの御菩提所ある……エー御門番衆入って参詣致したいがどうか御案内を願いとう御座います"(大久保曾我誉廼仇討) | 
    花岳寺浅野家霊廟 | 
      | 
    2016 | 
  
  
    | 花岳寺:四十七士の墓 | 
    しじゅうしちしのはか | 
    大久保曾我誉廼仇討(百花園 (1889)) | 
    赤穂市加里屋1992 | 
    花岳寺には,浅野内匠頭墓を囲んで,赤穂浪士四十七士の墓がある. 
"これから門番が四十七士の墓へ案内をいたしました"(大久保曾我誉廼仇討) | 
    浅野内匠頭・四十七士墓 | 
      | 
    2016 | 
  
  
    | 赤穂城 | 
    あこうじょう | 
    芝居風呂(騒人名作05:25)など 2件2題 (東京1件, 上方1件) | 
    赤穂市上仮屋 | 
    元禄14(1701)年,江戸城での浅野内匠頭長矩の吉良上野介への刃傷によりお家断絶となる.赤穂城の遺構はほとんどない.大手門も再建されたもの. 
"赤穂の城の明け渡しから敵討ちをするまでの艱難辛苦"(芝居風呂) | 
    赤穂城大手門 | 
      | 
    2016 | 
  
  
    | 室の港 | 
    むろのみなと | 
    兵庫船(創元米朝5:02) 1件1題 (上方1件) | 
    たつの市御津町室津 | 
    室津千軒といわれた繁華な港.「播州巡り」の一行もここで下船した.今では狭い石畳道が保存できるほどの訪問不便な遠隔地. 
"帰りは船で播州の室の港へ上がりまして、それから姫路を見物して"(兵庫船) | 
    室の津 | 
      | 
    1999 | 
  
  
    | 網干 | 
    あぼし | 
    黄金包(駸々堂(1890)) | 
    姫路市網干区 | 
    「黄金包」の終盤,船頭を失った渡し船は,揖保川を下って龍野から網干まで流れてしまうとの客のセリフ.網干は,丸亀藩と龍野藩によって分割支配されており,境橋は,両藩の境界に架けられていた. 
"このままで打っちゃっておいては網干まで下がッてしまふぜ"(黄金包) | 
    境橋 | 
      | 
    2017 | 
  
  
    | 飾磨港 | 
    しかまこう | 
    げほう頭(創元米朝6:15) 1件1題 (上方1件) | 
    姫路市 | 
    江戸期に姫路市街との間の水路が整備された.工場用地の埋立が進む. 
"飾磨の港の回船問屋で淡路屋岩太郎という大きな家"(げほう頭) | 
    飾磨港 | 
      | 
    1999 | 
  
  
    | 姫路 | 
    ひめじ | 
    兵庫船(創元米朝5:02)など 26件12題 (東京13件, 上方13件) | 
    姫路市 | 
    姫路と言えば播州皿屋敷.お菊神社は十二所神社(姫路市十二所前町)内.皿屋敷のお菊の霊を祀る.菊の御紋がついているのはシャレ? 
"播州の室の港へ上がりまして、それから姫路を見物して、播州路を東へ東へ"(兵庫船) | 
    お菊神社 | 
      | 
    2012 | 
  
  
    | 姫路:魚町 | 
    うおまち | 
    忍ヶ岡加賀屋奇談(東錦, 9号 (1892)) | 
    姫路市魚町 | 
    姫路市街の西部に,現在も魚町の名が残る.姫路城備前門があったことが示されていた.丸いのが礎石で,奥の長細いのが橋桁を留める延石.いずれもレプリカで,実物は地下1mに埋まっているという. 
"播州姫路の城下魚町の料理屋"(忍ヶ岡加賀屋奇談) | 
    備前門橋跡 | 
      | 
    2017 | 
  
  
    | 姫路:福井 | 
    ふくい | 
    かみなりの弁当(立艶笑文庫2:04) 1件1題 (上方1件) | 
    姫路市福居町 | 
    姫路市内の福居町だろう.弁慶の伝記で,「御所桜堀川夜討弁慶上使の段」の説明.本陣の娘と見染めあうが,足音がして鬼若丸が立ち去ろうとした時,引きとめた袖がちぎれて後日の証拠となる.弁慶はこのときただ一度,小町は生涯処女のまま.「弁慶と小町は馬鹿だなァ嬶ァ」. 
"播州書写山の稚児で鬼若丸、十六歳のとき、姫路近在福井村本陣の某という宿屋へさして、泊まり合わせます"(かみなりの弁当) | 
    福居町の町名標 | 
      | 
    1999 | 
  
  
    | 姫路城 | 
    ひめじじょう | 
    皿屋敷(講昭和戦前4:25)など 3件1題 (東京1件, 上方2件) | 
    姫路市本町 | 
    名古山霊園の展望台は姫路城十景の一つ.名誉えい地に姫路出身の三代目桂米朝の墓がある.上から見ると"米"の字の石の配置.奥の2つに四季の俳句が刻まれている. 
"姫路御城下に住んでいながら、皿屋敷知らねえちゅう事があるもんか"(皿屋敷) | 
    姫路城 | 
      | 
    2017 | 
  
  
    | 姫路城:天守 | 
    てんしゅ | 
    皿屋敷(講昭和戦前4:25) 2件1題 (東京2件) | 
    姫路市本町 | 
    国宝姫路城本丸,五層の大天守閣.お菊が吊し切りにあった井戸が,姫路城内にある.世界文化遺産の要件の一部. 
"車屋敷知らなかったらお天守知らねえようなものだ"(皿屋敷) | 
    姫路城天守とお菊井戸玉垣 | 
      | 
    1999 | 
  
  
    | 姫路城:お菊の井戸 | 
    おきくのいど | 
    皿屋敷(落語まんが寄席,新星出版 (2010)) | 
    姫路市本町 | 
    姫路城上山里曲輪にある井戸.金網を通して中をのぞくと,光って見えるのは水ではなくコイン.横穴が見えるが,そこからお菊さんが現れるのだろう.皿屋敷は姫路城下の壊れかけた屋敷,お菊の墓は城の東の五軒邸にあったというから,姫路城内のことではなさそう. 
"姫路には今も「お菊の井戸」があるそうな"(皿屋敷) | 
    姫路城お菊井 | 
      | 
    2017 | 
  
  
    | 皿屋敷 | 
    さらやしき | 
    一文惜しみ(青圓生10:08)など 13件3題 (東京8件, 上方5件) | 
    姫路市:架空 | 
    お菊の幽霊が夜な夜な現れるというが,どこだか場所がわからなかった. 
"播州皿屋敷鉄山館の段"(一文惜しみ) | 
      | 
      | 
      | 
  
  
    | 車屋敷 | 
    くるまやしき | 
    皿屋敷(講昭和戦前4:25)など 6件1題 (東京3件, 上方3件) | 
    姫路市:架空 | 
    皿屋敷の別名. 
"町外れの車屋敷知らねえか(中略)その車屋敷が皿屋敷よ"(皿屋敷) | 
      | 
      | 
      | 
  
  
    | 市川 | 
    いちかわ | 
    怪談市川堤(桂米朝コレクション 5, 筑摩書房 (2003))など 2件1題 (上方2件) | 
    兵庫県 | 
    兵庫県西部を南流し,姫路市飾磨へ注ぐ.「兵庫船」の川尽くしと「怪談市川堤」の舞台.土手の上で乞食に落ちぶれた江戸節お紺を越後屋次郎兵衛が斬り殺す.江戸人情噺では,戸田の川原が舞台になる. 
"姫路の東を流れております市川の堤へかかってきた時には、日は西のほうへ傾いております"(怪談市川堤) | 
    市川堤 | 
      | 
    2019 | 
  
  
    | 御着 | 
    ごちゃく | 
    怪談市川堤(桂米朝コレクション 5, 筑摩書房 (2003)) | 
    姫路市御国野町御着あたり | 
    御着(ごちゃく).「怪談市川堤」に出てくる.姫路と加古川の間の宿.本陣跡は公会堂,播磨国分寺には堂塔の礎石が残る. 
"道をとってかえしまして御着という村がございます"(怪談市川堤) | 
    播磨国分寺 | 
      | 
    2004 | 
  
  
    | 曽根の天神 | 
    そねのてんじん | 
    播州巡り(三一上方2:06) 1件1題 (上方1件) | 
    高砂市曽根町曽根2286-1 | 
    曽根天満神社.山陽曽根駅から徒歩すぐ.ここから明石を経て兵庫にかけて,「播州巡り」の名所が続く. 
"曽根の天神も参詣いたしまして名所をかんぶつやない見物いたしまして"(播州巡り) | 
      | 
      | 
      | 
  
  
    | 曽根の松 | 
    そねのまつ | 
    播州巡り(阪大上方12:1) 1件1題 (上方1件) | 
    高砂市曽根町曽根2286-1 | 
    曽根天満内.菅光太宰府配流の際に松を植えたという.今は五代目.枯死した幹は霊松殿内に保存されている. 
"播州は、松の名所の多い所でございます。尾上の松に曽根の松"(播州巡り) | 
    曽根天神と曽根の松 | 
      | 
    1999 | 
  
  
    | 石の宝殿 | 
    いしのほうでん | 
    播州巡り(講明治大正6:06) など 4件1題 (東京2件, 上方2件) | 
    高砂市阿弥陀町生石171 | 
    生石神社の御神体の巨石.サイコロ型で一方が楔状に飛び出ている.宝殿駅から歩くしかないが,必見ポイント.まさにミステリースポット. 
"尾上の松、石の宝殿など見物いたして、須磨、明石の方へかかりました"(播州巡り) | 
    石の宝殿 | 
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    1999 | 
  
  
    | 高砂 | 
    たかさご | 
    花筏(創元米朝1:20)など 17件8題 (東京16件, 上方1件) | 
    高砂市 | 
    「高砂や」の謡や「花筏」の相撲興行地.高砂神社(高砂町)周辺は,加古川水運の堀と町並みが残る. 
"相撲取ってくれとは言わんがなんとか、高砂まで体を運んでもろうて、土俵入りなとやって"(花筏) | 
    高砂神社 | 
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    1999 | 
  
  
    | 高砂の松 | 
    たかさごのまつ | 
    播州巡り(三一上方2:06)など 2件2題 (上方2件) | 
    高砂市高砂町東宮町190 | 
    高砂神社内に松が麗々しく植えられている.堂内には枯死した相生の松が展示されていた. 
"播州へ入りますとここはまた松の名所高砂の松"(播州巡り) | 
    高砂の松 | 
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    1999 | 
  
  
    | 相生の松 | 
    あいおいのまつ | 
    九段目(青圓生07:01)など 13件7題 (東京11件, 上方2件) | 
    高砂市高砂町など | 
    高砂の松や尾上の松のような雌雄二株が合体した松. 
"あいに相生の松こそめでたかりけれ"(九段目) | 
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    | 加古川 | 
    かこがわ | 
    兵庫船(三一上方2:09)など 2件1題 (上方2件) | 
    加古川市 | 
    川尽くしで登場する.加古川は,加古川市内を南流する.加古川と言えば日本毛織(ニッケ).社宅群がそのまま残る町並みは急速に失われつつある. 
"播州の加古川だす"(兵庫船) | 
    加古川 | 
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    2012 | 
  
  
    | 赤壁明神 | 
    あかかべみょうじん | 
    猫定(青圓生08:10) 1件1題 (東京1件) | 
    加古川市加古川町本町 | 
    加古川の春日神社内にある丸亀神社が赤壁であることからの俗称.化け猫伝説があり,映画や講談にもなった.神社に書かれた由来によると,「猫定」とおなじような話.ばくち好きの油職人の飼っているネコが,サイコロの目を眼で知らせた.帰り道に職人は殺され,彼のネコも返り討ちにあう.その血で染まった壁だという.まったく別物だが,姫路城の天守に祀られている刑部明神(長壁姫とも.おさかべみょうじん)の正体は妖狐で,時に姿を現したという. 
"猫が化ける話を百あつめたという……赤壁明神の猫とか、あるいは鍋島の猫"(猫定) | 
    赤壁明神 | 
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    2012 | 
  
  
    | 尾上の松 | 
    おのえのまつ | 
    高砂や(立名人名演05:07) など 5件3題 (東京2件, 上方3件) | 
    加古川市尾上町長田518 | 
    加古川市の尾上神社内にある相生の松のこと.初代の尾上の松は,男松と女松が途中でわかれた名松で,謡曲「砂」に謡われる.碑文にある天然記念物指定されたのは3代目の松.現在は5代目の松. 
"『高砂の尾上の松も年経りて』という"(高砂や) | 
    尾上の松 | 
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    1999 | 
  
  
    | 尾上の鐘 | 
    おのえのかね | 
    播州巡り(三一上方2:06) など 2件1題 (東京1件, 上方1件) | 
    加古川市尾上町長田518 | 
    尾上神社の宝物.ほっそりした朝鮮鐘で,国重文.見えるようにしてくれているのはありがたい. 
"尾上の鐘には曽根の天神も参詣いたしまして"(播州巡り) | 
    尾上の鐘 | 
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    1999 | 
  
  
    | 手枕の松 | 
    てまくらのまつ | 
    播州巡り(三一上方2:06)など 2件1題 (上方2件) | 
    加古川市別府東町 | 
    播州松の名所巡りの一つ.別府(べふ)の住吉神社社前.近くに肥料で起業した多木学園の銅張り西洋館がある.知らずに見かけて度肝を抜かれた異容. 
"石の宝殿、別府手枕の松"(播州巡り) | 
    手枕の松 | 
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    1999 | 
  
  
    | 播磨灘 | 
    はりまなだ | 
    播州巡り(講明治大正6:06) など 2件1題 (東京2件) | 
    瀬戸内海東部 | 
    播磨,淡路島,香川県小豆島に囲まれる海域. 
"こっちを振り向いて見な、下に見えるのが播磨灘だ"(播州巡り) | 
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    | 淡路島 | 
    あわじしま | 
    高砂や(青小さん1:05) など 30件18題 (東京19件, 上方11件) | 
    洲本市,三原郡 | 
    瀬戸内海に浮かぶ,日本第6位の面積を持つ島.タマネギ,人形芝居が有名.2017年に淡路島を題材とする,桂文枝作の絵本落語3冊が出版されている.神話やタマネギがテーマになっている.写真のおのころ島神社は,イザナギイザナミ国造りの地とされる. 
"月もろともに出で汐の、波の淡路の島かぐれ"(高砂や) | 
    おのころ島神社鳥居 | 
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    2007 | 
  
  
    | 岩屋の端 | 
    いわやのはな | 
    播州巡り(三一上方2:06)など 2件2題 (上方2件) | 
    淡路市岩屋 | 
    淡路島北端の港町.明石からたこフェリーで行けた(2010年には実質廃止).蛸壺やはかなき夢を夏の月(芭蕉).岩屋には温泉があり,絵島は景勝地. 
"あれは淡路の岩屋の端や"(播州巡り) | 
    絵島 | 
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    2007 | 
  
  
    | 伊弉諾神宮 | 
    いざなぎじんぐう | 
    古事記談(柳家小満ん口演用「てきすと」 3, てきすとの会 (2015)) | 
    淡路市多賀740 | 
    淡路国一之宮.祭神は,伊弉諾尊と伊弉冉尊.噺の中で,国造り神話として登場する.国生みを終えた伊弉諾尊が,淡路島の幽宮に鎮まったと伝える.境内には樹齢800年をこえる夫婦の楠がある.今も,多くの参拝客でにぎわっていた. 
"伊弉諾神宮が厶います"(古事記談) | 
    伊弉諾神宮 | 
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    2020 | 
  
  
    | 洲本 | 
    すもと | 
    神も仏もアルマジロ(白水中島らも:2) 1件1題 (上方1件) | 
    洲本市 | 
    以下3件,中島らもの新作1題に出てくる地名が続く.洲本城には,道頓堀中座に棲んでいた芝右衛門狸の祠がある.人間に化け,海を渡って芝居見物を楽しんでいた.小屋の方では,毎日木の葉を札に見せかけて見物している客に気づいた.これはあやしいと,犬をけしかけたところ,狸は食い殺されてしまったという.いやいや,霊力のある狸だから,きっとその後も,芝居小屋の奈落か天井裏にひそんで,好きな芝居を見ていたに違いない.中座でも芝右衛門狸を祀っていたし,洲本の訪問時は松竹新喜劇の幟があがっていた.2002年に中座が焼失したときには,小屋も閉まっており,すでにふるさとに戻っていたのだろう. 
"洲本て……あの、淡路島の洲本かいな"(神も仏もアルマジロ) | 
    洲本城 芝右衛門狸 | 
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    2007 | 
  
  
    | 由良 | 
    ゆら | 
    苫ケ島(柳家小満ん口演用「てきすと」 36, てきすとの会 (2019)) | 
    洲本市由良あたり | 
    紀淡海峡をにらむ軍事的要衝で,生石山には明治期に砲台が築かれた.第一砲台の28cm榴弾砲は,当時最大の火砲で,旅順攻撃にも活躍した. 
"加太の岬より、淡路の由良に至る間にありまする、東西二里、南北一里半の島に厶いまする"(苫ケ島) | 
    由良第一砲台 | 
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    2020 | 
  
  
    | モンキーセンター | 
    もんきーせんたー | 
    神も仏もアルマジロ(白水中島らも:2) 1件1題 (上方1件) | 
    洲本市畑田289 | 
    淡路島南岸,水仙郷とならぶ観光地.野生ザル200頭を餌付けしている.しかしここを通るバスは日に3本.車で訪れる人が不安にならないよう,何度も何度も案内看板を持ったサルが現れる.秘宝館とセットになった水仙郷も,なかなか家族連れにはハードルが高い.ナゾのパラダイス! 
"水仙の花が咲き乱れてるんですわ。モンキーセンターもわりと近いしね"(神も仏もアルマジロ) | 
    モンキーセンター | 
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    2007 | 
  
  
    | 淡南町 | 
    たんなんちょう | 
    神も仏もアルマジロ(白水中島らも:2) 1件1題 (上方1件) | 
    南あわじ市 | 
    旧三原郡南淡町(なんだんちょう).淡路島南部.噺の主人公はここから大阪へ通勤の日々を送る.2005年,合併により南淡町は消滅した.公民館の壁面には旧町章が見える. 
"淡路島の「淡い」いう字に「南」と書いて「淡南町」"(神も仏もアルマジロ) | 
    南淡公民館 | 
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    2007 | 
  
  
    | 沼島 | 
    ぬしま | 
    古事記談(柳家小満ん口演用「てきすと」 3, てきすとの会 (2015)) | 
    南あわじ市沼島 | 
    国造り神話.淡路島の南に沼島がある.オノゴロ島のモデルとの説明.面積3平方キロあまり.烏帽子岩のようでも,小さな島でもない.沼島の岩礁,上立神岩は,ほんとうに烏帽子のような小さな島で,やはり国造り神話が伝わる. 
"淡路島の近くにある<沼島>という、烏帽子岩のような小さな島がありますが、あれが<オノゴロ島>のモデルだそうで"(古事記談) | 
    沼島 | 
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    2020 | 
  
  
    | 弓削村 | 
    ゆげむら | 
    道鏡(立艶笑文庫1:05) 1件1題 (上方1件) | 
    不明 | 
    弓削道鏡が,丹波の国弓削村の出身とある.不明.道鏡は,普通は河内の国八尾の出身とされる.何が大きかったのかというとナニで.これで国を乗っ取ろうとしたのだからスゴい.道鏡でなくても抜けば湯気が立ち(末摘花). 
"わが国では弓削道鏡という人がいちばん大きかったそうで、これは丹波国弓削村の生まれやったと申します"(道鏡) | 
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