| 地点名 | 
    この1題・登場回数 | 
    位 置 | 
    備 考 | 
      写真と撮影年 | 
    
  
    | 加賀 | 
    かが | 
    加賀の千代(青三木助:16) など 18件9題 (圓朝2件, 東京12件, 上方4件) | 
    石川県 | 
    旧国名.石川県の南部.石川県の落語地名は,能登半島を南下して金沢に至り,加賀温泉郷へ抜けるルートで紹介する. 
百万石の加賀藩前田家は,"加賀かい,本郷か"の江戸っ子のセリフや「蜀山人」の"水戸ッポに加賀ッポ",黙阿弥の「加賀鳶」あたりが印象的で,どちらかというと江戸屋敷を意識している.領国が舞台となる「加賀騒動」は講釈ネタで,明治期の春錦亭柳桜が演じた速記が残っている.「加賀の千代」の句碑はもちろん,朝顔につるべ取られてもらい水.その井戸は金沢市泉2の念西寺内,増築で本堂の畳の中に埋まっている. 
"昔、加賀の国に千代というかたがあった。よほど歌のお上手なかたで"(加賀の千代) | 
    念西寺 加賀千代句碑 | 
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    2015 | 
  
  
    | 能登 | 
    のと | 
    阿武松(三一談志2:06) など 8件6題 (圓朝1件, 東京7件) | 
    石川県 | 
    旧国名.石川県の北部,ほぼ能登半島の全域. 
「阿武松」の生い立ちの説明で,能登の地名が出てくる.鉄道は廃線になりバス転換されたが,駅跡地に阿武松生誕地の案内が残っていた. 
"相撲取りにやなれやせん。国へ帰れ。暇やるから能登へ帰れ"(阿武松) | 
    阿武松生誕地案内 | 
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    2015 | 
  
  
    | 七海 | 
    ひつみ | 
    阿武松(青圓生08:05) など 5件1題 (東京5件) | 
    鳳至郡能都町七見 | 
    大食いで相撲部屋を波紋になった取的の小車,後の六代目横綱阿武松を描いた落語.その阿武松の出身地.穴水町の七海(ひつみ)と区別するため,能都町は七見(しちみ)と改称した.廃線となった七見駅から海沿いの道を約1km南にいくと巨大な阿武松の顕彰碑がある. 
"六代目の横綱が能登の国鳳至郡鵜川村七海、阿武松緑之助"(阿武松) | 
    横綱阿武松碑 | 
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    2015 | 
  
  
    | 鵜川 | 
    うかわ | 
    阿武の松(新風現代:29) 1件1題 (東京1件) | 
    鳳至郡能都町鵜川 | 
    六代目横綱阿武松の出身地.七海の南.『現代落語家三〇人集』(新風出版社)以外は鵜川村の七海としている. 
"六代目の横綱が能登の国はふげし郷、鵜川村、阿武松緑之助という"(阿武の松) | 
    鵜川の港 | 
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    2002 | 
  
  
    | 七尾 | 
    ななお | 
    怪談累草紙(親不知の場)(三一正蔵芝居噺:11) など 2件1題 (東京2件) | 
    七尾市 | 
    怪談の「累草紙」のほか,七尾は「捨丸」の主人公の故郷にえがかれることもある.七尾城は難攻不落の山城だったが,内通により落城.1時間1本のコミュニティバスまりん号下車後,40分の登り. 
"能登の七尾に行く途中にこの宿で、この主の世話になった"(怪談累草紙) | 
    七尾城跡 | 
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    2002 | 
  
  
    | 川合村 | 
    かわいむら | 
    禁酒運動(白川小春団治:02) など 2件1題 (上方2件) | 
    河北郡津幡町上河合・下河合 | 
    川合と書かれていたが、河合谷が正しいとご教示された.現在の上河合・下河合.村境の濁澄橋に置かれた禁酒の碑が,河合谷ふれあいセンターの前に移設されて現存する.側面に河合谷村,大正十五年四月の文字が刻まれている.昭和のはじめにかけて禁酒運動で資金を貯め,校舎を建設した.その河合谷小学校は,残念ながら廃校になった. 
"石川県川合村(中略)村人が一同禁酒をいたしまして、やがて立派な小学校を建設する事ができた"(禁酒運動) | 
    禁酒の碑 | 
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    2017 | 
  
  
    | 倶利伽羅谷 | 
    くりからだに | 
    平家物語(三一談志4:08) など 2件1題 (東京2件) | 
    河北郡津幡町倶利伽羅 | 
    倶利伽羅峠の北西方向,倶利伽羅不動寺の山すそに倶利伽羅谷という地名がある.どちらかというと,倶利伽羅谷の方から義仲軍が攻めてきたので,平家が落ち込んだのは,反対の地獄谷側になる. 
"倶利伽羅谷へ落っこっちゃって、死人の山ぁ築いて、惟盛は逃げて帰って"(平家物語) | 
    倶利伽羅谷を望む | 
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    2002 | 
  
  
    | 金沢 | 
    かなざわ | 
    山崎屋(騒人名作12:01) など 13件8題 (圓朝4件, 東京8件, 上方1件) | 
    金沢市 | 
    県都金沢.加賀の産業・文化の中心地.食の名物も多彩で,かぶら寿司に,車麩やかに面の入った金沢おでんなどがある.鴨の治部煮など,肉料理も有名で,天狗乃肉の本店は金沢にある.残念ながら天狗の棲む鞍馬山でも,天すきの店の手付けを打った大坂八幡筋でもない. 
"三つ歯のポックリで、加州の金沢からこの江戸までじゃア"(山崎屋) | 
    天狗乃肉 | 
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    2004 | 
  
    
    | 金沢:兼六公園 | 
    けんろくこうえん | 
    薮入り(講落語全集2:21) など 2件1題 (東京2件) | 
    金沢市兼六町 | 
    兼六園.日本三名園の一つ.夏季は7時から開園する.早朝は市民のために開放している.池にかかる琴柱燈籠,冬場の雪吊りが定番のみどころ.水位差を利用した噴水が変わっている. 
"加賀の兼六公園を見物して"(薮入り) | 
    兼六園 雪吊り | 
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    2018 | 
  
  
    | 金沢:片町 | 
    かたまち | 
    三紋龍(新潮泡坂妻夫:08) 1件1題 (東京1件) | 
    金沢市片町 | 
    金沢の繁華街.近くの長町には,武家屋敷の町並みが残る. 
"金沢の片町で、嫁ぎ先は高砂屋という菓子屋です"(三紋龍) | 
    片町標柱 | 
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    2002 | 
  
  
    | 金沢城 | 
    かなざわじょう | 
    三紋龍(新潮泡坂妻夫:08) 1件1題 (東京1件) | 
    金沢市丸の内あたり | 
    加賀前田半の居城.1884(明治17)年の大火で焼失した.軍施設から,金沢大学のキャンパスとなり,現在は公園化している.搦手門である石川門や石落し,三十軒長屋などが遺構として残っている. 
"お城に出入りするご用上人ですから、どこで訊いてもすぐに判ります"(三紋龍) | 
    金沢城石落し | 
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    2012 | 
  
  
    | 才川 | 
    さいかわ | 
    北国奇談 梅の大木(東錦, (7)・(12) (1892)) | 
    金沢市 | 
    犀川.金沢中心街を流れる.「北国奇談 梅の大木」は「加賀騒動」のこと.河童鳥居又助の水中からの刺客,中老浅尾の蛇責めが聞きどころ. 
"蘇鉄のお庭といふ才川から通じている大きなお池のある庭がありますから"(北国奇談 梅の大木) | 
    犀川 | 
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    2015 | 
  
  
    | 林中小学校 | 
    はやしなかしょうがっこう | 
    芝浜(ポプラ少年10:20) 1件1題 (東京1件) | 
    白山市 | 
    旧石川郡林中村.少年向けの「芝浜」本編に入る前,子供の作文の紹介で,林中(はやしなか)小学校が出てくる.出版当時は実在した.1970年に廃校になったらしい. 
"これは、石川県林中小学校六年生の女子の詩でございます"(芝浜) | 
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    | 安宅の関 | 
    あたかのせき | 
    植木のお化け(楽々凄艶妖怪上:14) など 4件4題 (東京4件) | 
    小松市安宅町 | 
    「植木のお化け」は,夜中に植木の化物が現れて,しゃべり出す音曲噺.安宅の関は,義経弁慶と関守富樫の対決「勧進帳」の舞台.関所にちなみ,石菖蒲(せきしょうぶ)とベンケイソウがしゃべり出す.関の跡は,安宅住吉神社内.県史跡.バス路線もあるが運行が少なすぎて利用できなかった.強い風にあおられた松が傾いていたのが印象深い. 
"吾々は南都東大寺の僧、ろしやな仏建立のため北陸道へまかり通る、関門開いてお通し候え"(植木のお化け) | 
    安宅關址碑 | 
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    1999 | 
  
  
    | 片山津温泉 | 
    かたやまづおんせん | 
    俺達ヒローキッズ(桂三枝創作落語大全集, メディアクラフト牡牛座 (2004)) | 
    加賀市片山津町 | 
    柴山潟(しばやまがた)湖中に片山津温泉源泉と浮見堂がある.温泉の完成は明治期で,共同浴場の総湯などで入浴可.無色無臭強い鹹苦味. 
"あいつな、片山津温泉で療養中や"(俺達ヒローキッズ) | 
    柴山潟浮見堂 | 
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    2005 | 
  
  
    | 山代 | 
    やましろ | 
    国勢調査(白川小春団治:05) 1件1題 (上方1件) | 
    加賀市山代温泉 | 
    山代温泉.山中温泉と並んで1000年以上の歴史を誇る名湯.配水塔の下には行基を山代温泉に導いたという烏の像がある. 
"北陸地方で、温泉地というと、山中、山代……"(国勢調査) | 
    山代温泉配水塔 | 
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    2002 | 
  
  
    | 山中温泉 | 
    やまなかおんせん | 
    国勢調査(白川小春団治:05) など 4件2題 (圓朝3件, 上方1件) | 
    加賀市山中温泉湯の出町あたり | 
    旧江沼郡山中町.1300年の歴史を持つ名湯.無色無臭.山中節 "加賀の山中恐ろし所よ夜の夜中に猪が出る"猪とは湯女のこと.こおろぎ橋は木造橋で,鶴仙渓下流のあやとり橋は草月流家元デザインのねじれた橋.湯元である共同浴場の菊の湯に入浴可能. 
"山が高うて、山中見えぬ、山中恋しや、山憎や、チョイチョイ"(国勢調査) | 
    湯元菊の湯 | 
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    2002 | 
  
  
    | 九谷 | 
    くたに | 
    壺二百(桂米朝集成 2, 岩波書店(2004))など 9件4題 (東京9件) | 
    加賀市山中温泉九谷町 | 
    短期で消滅した古九谷跡.登り窯跡3基が発掘された.九谷焼自体は金沢周辺で広く生産される.山中温泉から徒歩だと1時間以上. 
"三両二分と申して居ります古九谷で、二百とは法外でござります"(壺二百) | 
    九谷古窯跡 | 
      | 
    2002 |